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2016年度課題曲
IV マーチ「クローバー グラウンド」 鹿島 康奨

作曲者からの申し出から急遽差し替えられた例のマーチだ。



冒頭がすべて

言うまでもなく、このマーチの要は冒頭部分だ。この冒頭数小節は、その後にも多大なる影響を与える。重く吹くとマーチの軽快さが消え、冒頭のテンポの乱れは最後までつきまとう。 挽回不可能だ。冒頭で気をつけるべきところは、曲全体で気をつけることであるが練習のポイントは以下のとおり。
  1. 息を入れすぎないこと。美しく明るい音色で吹こう。
  2. 休符に敏感になろう。細かい打ち込みが遅れないよう注意。
  3. 付点のついた音符のニュアンス(音の長さ、スピード感、音の形)を合わせよう。
  4. フレーズを長く意識しよう。決して一音一音吹いている感覚にならないよう。
  5. 脱力した透明感のあるフォルテを心がける。
  6. アクセントとアクセントの付いていない音符との差をつける。
  7. 山形アクセントは固く音形ハッキリと、松葉型アクセントは「ティーッ」と響きを伸ばすように
  8. 曲を構造的に捉えよう。「自分と同じ動きをするグループ」と「自分の役割」を知る。



アーティキュレーション(音を切るところ、つなげるところの区別)を的確に吹く

まず、最初にすべきことは無駄な音を消してフレーズをすっきりさせていくことだ。ピッチとリズムを合わせるのはもちろんだが、それよりもテンポを落とし、曲を楽譜通りに丁寧になぞっていくことだ。そのためにはこのアーティキュレーションの確認が欠かせない。

音を切るところは、切っているように聞こえなければならない。

スラーでもないところを適当につなげて吹いている団体のなんと多いことか。 重要なのは、個人任せにしないこと。 指揮者、パートリーダーは面倒くさがらず、全員の音形とフレージングをシャープに磨いていくことを忘れないこと。 録音して比較させると、かなり納得する奏者は多いはずだ。 練習の見える化につながりモチベーションも生まれやすい。 それでもなかなかマーチの軽快さが生まれないときは、管楽器奏者(特にリズムセクション)はパーカッションを注意深く聴くこと。打楽器の音の形、アクセントに管楽器が歩み寄る。そもそもマーチの原形は打楽器を中心とする太鼓のリズムがベースになっている。パーカッションの刻むビートの勢いをお手本にすれば、自然とマーチの軽快さは生まれてくる。


マーチするなら反応の良い発音は必須

演奏が重たくなる原因として発音(タンギング)の不具合が考えられる。本人のスピード感が原因の場合は、メトロノーム片手に強制的に身体にリズムをたたきこむのも一つの方法だ。しかしながら奏者にしてみればそんな単純な問題ではなく「分かっていても自分の息が鳴ってほしいタイミングよりも後で音が鳴ってしまう」という場合がある。これは正直な話、楽器をコントロール出来ていないのが原因だ。楽器の圧力にブレスの圧が負けてしまうと、楽器が十二分にならない。しかしながら乱暴に息を押し込んでも楽器は鳴ってくれない。基本事項ではあるが、結構さまざまなところに関連する問題なのでこの際しっかり練習してほしい。練習のコツとしてはハッキリとした(アクセントのかかっていない)発音を心がけることだ。



音色を犠牲にしない

奏者に一度にあれこれ指示を出すと。音が暗く、固く、響きも粗雑になってしまう事が多い。 初めは確実に吹けるまでテンポを落とせばよい。 コラールや基礎練習(ロングトーン)で吹いている音と違う音色で吹くように心がけよう。 特に多いのが、音を短くシャープにすると、響きが薄く「ペッ」「ファッ」という音色になってしまうことだ。これは、日ごろの基礎練習不足が否めない。おそらくおなかの支えを緩め、息の量を減らしていることが原因だ。当然楽器は十分に鳴らない。このような奏者は、一度レガート奏法での練習をおススメする。レガートで短い音でも響きを失わないような奏法が身に付いてから音形をシャープにする練習に移ろう。響きを失わない、艶やかなスタッカートができるまで練習あるのみだ。


表現を工夫して惹きつけられる演奏に

ダイナミクスや音色を工夫しないと単調な演奏になり、聴いていてもあまり面白くない。
音色を工夫すると、単純な曲でもピリリと刺激の利いたドラマチックな仕上がりにすることは可能だ。「リズム重視の場面」と「歌重視の場面」があり、このメリハリをつけること。
色彩感豊かだが、バランスのとれた演奏に仕上げよう。
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2015年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ

マーチ「プロヴァンスの風」

作曲:田坂直樹






冒頭部分の不安定な立ち上がり方に思いをよせる。

プロヴァンスとは、スペインではなくフランスの南東部の地だ。スペインとイタリアに挟まれた要衝の地にあるため古代ローマ以来、数多くの王国が栄えた。海岸、低めの山、複雑に流れ込む川など変化に富んだ風景が広がる。
スペイン調の暗いマーチかと思いきや、曲の後半は様相がガラリと変わる。面白い作り。どこかさわやかで、哀愁をさそい、異国情緒あふれる曲調だ。

スペインのフラメンコをイメージさせる。この匂い立つ雰囲気を壊してはならない。

重くなってはいけないが、このウエットな雰囲気も残してほしい。



マーチの練習方法は比較的共通している。要はぜい肉をそぎ落として、軽やかにしていくことだ。「ぶわわわわ」を「ティラリララ」と一つ一つ音の輪郭がわかるようにしよう。注意したいのが、「軽くする」=「ペラペラの音で吹く」ではないということ。音の密度は抜けてはいけない。軽やかにスキップするゾウのイメージしてほしい。軽やかな音符にはパンパンに響きが詰まっていなくてはいけないのだ。それにはまず、アーティキュレーションを意識して、音をシャープにしよう。団子状態になっている音符のかたまりをまずは整理しよう。







切るところは切る、つなぐところはつなぐ、山形アクセントは固く、松葉型アクセントは音の響きを意識して音を張る。固い音色のパーカッションメインで仕上げよう。

奏者は全員パーカッションを良く聴くこと。そこまでやってリズムが生きる。パーカッションと低音のリズムセクション主導で何度も練習しよう。リズム感を出したいならシロフォンなど鍵盤楽器主体に音作りをしよう。
スネアドラムは、リムショットを確実にキメて進むこと。リズムが甘いと全体がダレる。

能天気な野球応援風に仕上げないこと。色気のあるノリを演出しよう。

声に出して歌い、全員のタイミングとイメージ統一を図ろう。



参考 「歌う」という練習法の威力




冒頭部分は、唐突な印象がある。リズム感と息の勢いを全員で統一しよう。安定させる鍵は「チャララッ」の打ち込みにかかっている。固く演奏し、安定したリズムを作り出そう。細かい音符が団子にならないよう。ここで、スコアを注意深く見てみよう。同じフレーズが3回繰り返されるパターンが数多く見られるはずだ。冒頭部分など同じフレーズを3回繰り返す時は、注意が必要だ。重要なのは3回目。必ずしも一番大きな音で表現するというわけではないが、音楽的変化が起きることが多い。2回目、1回目で強調しすぎないことだ。





冒頭のフレーズ提示が終わり落ち着いたクラリネット主体のメロディーが流れる。長い音符は音色とハーモニーを丁寧に作ろう。各楽器はスネアドラムを良く聴くこと。次第に楽器の数が増えていくが、あくまでもなめらかにピークまで持っていく。それに対して打ち込み(リズム系)の吹き方はあくまで固く、リズムの打点をハッキリさせよう。あくまでも「軽く」そして「濃く」!指揮者は、音量のバランスをしっかりとること。特に弱音部は注意。力量が試されるポイントだ。

クラリネット→フルート→オーボエの橋渡しは、吹き方の統一を。



木管主体のフレーズ(しっとりと歌う)と金管主体のフレーズ(マルカート)が交互に繰り返される。対比をしっかりと提示することで曲は魅力を増す。低音はどうしても発音の立ち上がりが鈍いので、注意すること。音楽が停滞するし、テンポが高音楽器と分離してしまう。にごりのもとにもなる。



ダイナミクスを意識しないで吹くと、つまらない。音色を変えないで吹いてもつまらない。そういう小さな工夫がバンドの個性を生みだすのだ。世界で一つの自分たちだけの演奏を作らないとつまらない。色彩感豊かに仕上げよう。楽譜には多くの情報がある。「よくわからない」で済まさずに、一つ一つ拾っていこう。






参考 必殺の課題曲攻略法「審査員はココを見る!」


   全日本吹奏楽コンクール全国大会出場のバンドの演奏








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HN:
鈴幕府
性別:
非公開
趣味:
吹奏楽、オーケストラ
自己紹介:
楽器歴はトランペット、ユーフォ、ファゴット、オーボエ、アルトサックス。
オーケストラ、心理学、芸術などの要素を取り入れ、新しく本格的な音楽を作る。また、チームワークを大事に一人一人がもっと輝く、情熱を傾ける、感動するための音楽を目指す。吹奏楽の楽しさを伝えます。
2013/01/20 13:08:15