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古来、合唱などで、複数の音を重ねた時に、本来聞こえるはずのない高い声がしばしば聞かれる現象が知られており、「天使の声」などと呼ばれて神秘的に語られていたといいます。


現代ではこの現象について科学的な説明ができます。






これは「倍音」と呼ばれるものです。



本来音には様々な周波数の違う音が含まれています。


例えば「ドの音」を鳴らしたとします。

すると鳴らしている「ドの音」以外の音が同時になっているのです。
 

倍音は、その音によって「含まれる音の種類」や「音の高さ」がバラバラです。楽譜上では同じ音でも楽器によって音色が違うのは、含まれる倍音が異なるからです。規則的に配列されたものは、むしろキーボードなどの人工的な電子音のように感じられるそうです。
 
例えば、フルートなど、エアリード系の楽器は倍音が少なく「もともとの音」に近い音がします。一方、バイオリンやオーボエは倍音が多く含まれますので、複雑で特徴的な音色が出ます。
 

 
 
楽器を演奏する上でこの「倍音」は非常に重要な役割を持ちます。
 

それは、人工的に倍音を補強したものがハーモニーだからです。
 ハーモニーがピッタリ合うと心地よい響きになるのは、もともとの基音に含まれている音だからです。周波数や音の波がハマる形であれば、お互いの音を邪魔することがないため、自然で美しい響きになるのです。
 
つまり、キーボードやチューナーなどでプラスマイナスゼロのピッチで調整している演奏者は注意が必要なのです。
 これらの機械や鍵盤楽器のピッチは「平均律」という理論をもとにしているからです。
 平均律とは、一オクターブの音程を均等に12分割するもので、倍音とは少しズレた音程になっています。この平均律は、鍵盤楽器など単音のピッチをその都度上げ下げしにくい楽器の存在や、移調などがしやすいため、人工的に作り出したものだからです。
 そのため、どうしても濁ったハーモニーになりがちです。
 平均律は、メロディーを吹くときは厳密に守らなければならないですし、楽器演奏の基本ではあるものの、ハーモニーで合わせるときはあくまで目安です。
 倍音を聞きうまくハーモニーに乗っかれるように練習しましょう。
 


さらに豊かな音色は、豊富な倍音を含んでいるため、自分たちの音色をチェックする目盛にもなります。
 

事実、倍音を用いて、練習に励むバンドは少なくありません。
 


「これだけ大勢で吹いているのに、倍音が聞こえていない!」
 


「高音楽器は、低音楽器の倍音をよく聞いて吹くように!」
 


このような指示は、吹奏楽の強豪校ではよく耳にします。
 

倍音を多く含む音を吹くコツは、楽器をよく鳴らすことです。


乱暴に吹くというわけではないのですが、多少のノイズは、ホールでは客席まで届きません。音色に神経質になるあまり、息をおさえてしまうと、「細くて暗い音色」になり倍音も少なくなります。


ホルンのような丸い音は反響板や床など、さまざまな場所に共鳴して出来上がります。
奏者が聴く音と、客席で聴こえる音は若干の差があります。
反響する前の生の音ばかりにこだわってはいけません。

太い音を出すこと。

これをまず心がけてください。




そして、楽器から出る響きを殺さないように、体からムダな力を抜き、共鳴させることを忘れてはいけません。




ちなみに、管楽器意外でも、いかにたくさんの倍音を出せるかということに心血を注ぐ楽器があります。
 意外に思われるかもしれませんが、パーカッションなのです。特に、大太鼓や小太鼓、ティンパニなどの打楽器は、中心から倍音が発声する仕組みになっています。そのため中心を叩くと倍音がかき消され、豊かな響きが得られません。ちなみにティンパニはヘッドの半径1/3の部分が最も良い響きが得られるとされています。
 
倍音が豊かだと、さまざまな周波数が出てピッチも合いやすく、周りの音とよくブレンドします。アンサンブルのレベルを上げるためには必須のポイントなのです。







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HN:
鈴幕府
性別:
非公開
趣味:
吹奏楽、オーケストラ
自己紹介:
楽器歴はトランペット、ユーフォ、ファゴット、オーボエ、アルトサックス。
オーケストラ、心理学、芸術などの要素を取り入れ、新しく本格的な音楽を作る。また、チームワークを大事に一人一人がもっと輝く、情熱を傾ける、感動するための音楽を目指す。吹奏楽の楽しさを伝えます。
2013/01/20 13:08:15