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2004年度ウォルター・ビーラー記念作曲賞

2005年度オストウォルド賞受賞作





一言でいうと、この曲は吹奏楽の可能性を広げた。



新たなジャンルを生み出した。



そんな考えが思い浮かぶぐらいに、この曲が持っているエネルギーは強い。



凄まじい意思と熱量を持っている。



とにかく、ピリピリとした緊張感が、カッコいい!



そして、恐ろしいほど挑戦的である。





まさにこの曲は、吹奏楽界のレディガガ、きゃりーぱみゅぱみゅか?



有名になり、コンクールでも度々聴くようになった。

しかし、まだ聴いてない方がいたなら心して聴いて欲しい。











求められる演奏レベルの高さは、音源を聴くと、瞬時に分かる。



腕に自信のある、パーカッションと木管低音。



そして、とびきりイキのいいソプラノサックスが必要不可欠。



再現するのは、まさに車のタコメーターが振り切れるその緊迫!













まず鍵盤楽器群の織りなす、リズムに導かれ曲が始まる。



ボレロのようにぎっしり敷き詰められたリズム・・・



その瞬間!「?」



そして、再び流れ出す曲。







ナンダコリャ?とスコアを見て絶句。



トンデモナイ変拍子だ!



ほぼ全てのフレーズで拍子が変わっている。



このカオスなリズムが、この曲のキモなのだ。



独特の疾走感、ビート感を生み出している。



決して無秩序というわけではない。



むしろその逆、この曲から感じられるのは厳密に整備された狂気だ!





とにかく、木管低音のアルゼンチンタンゴのフレーズが常軌を逸している。



カッコいい!なんて、生易しいもんじゃない。



これは「眠たい曲ばっかり演奏してんじゃないぜ!」と、挑発する曲だ。







ソプラノサックスのソロは驚くほど自由度が高い。



とは言え、大きく分けて二通りのアプローチがあるようだ。



伴奏の雰囲気に乗っかりジャズ風に流すか、強めに主張しながらキメるのか?





生き物のように生々しいサックスがいい。





圧巻は滝から滑り落ちるようなグリスタンドは個性が光る。



なんともはや





再び鍵盤楽器主体のリズムが敷かれ、様々な楽器がその上に乗っかる。



さらに緊迫感を増し最後はタコメーターが振り切れ、最後の瞬間に向かって音が突っ込んでくる。



蓄積された膨大なエネルギーが弾け、解放される瞬間。





その瞬間、音楽が終わる。




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この曲は基本的に同じ主題が何度も何度も繰り返される。

湊かなえ原作の映画「告白」で覚えがある方も多いであろう、あのフレーズである。

どこかおさまりの悪い不自然さを内包した旋律がほのかに緊迫感を香らせる、このフレーズ...

そこにえも言われぬ滑稽なエッセンスを加えたような不思議な主題である。



しかし、この主題、繰り返されるごとに、その表情を一変させる。

曲全体から臭う、まるでサーカスのような見世物感
要求されるパフォーマンスの難易度はどれも高く、容赦ない。
ソロ、ソリでつないでいく綱渡り感は、ボレロのそれをも思わせる。



曲が始まり、まずは軍隊調の一糸乱れぬ曲芸フレーズ。
豪華絢爛!

まずは勇ましくそのフレーズを耳に焼き付けるように巨大ユニゾンで華々しく始まる!


そしてファゴットのただならぬ雰囲気。
仮面の奥に狂気を隠したオーボエが誘う。


ダブルリードカップルの幾何学的フレージングにより、不可思議な迷宮へと続く扉が開く

ちなみにファゴット、オーボエはこの曲にとって、旅先案内人のような役割である。
要所要所で顔を覗かせ、音楽の色を変える。いや、曲のさらなる深みへと誘うのだ。

一言で言うと、滅茶苦茶おいしい。

どちらかといえば、吹奏楽部的には日陰者とは言わないまでも、縁の下の力持ち的な扱いを受けがちな両者にとっては、狂気乱舞して喜ぶような曲だ。

いや、両者共そんなタイプではないかもしれない。

顔には出さず、密かにニヤニヤしながら黙々とソリの腕を磨くといったところか・・・
ある種、異色の者たち。吹奏楽の「はぐれメタル的存在」な彼らである。




そして、何といってもこの曲の本体である、真のカオス、複雑怪奇さが爆発するのが、低音ユニゾンの後のファゴットのソリであろう。

聞きなれない奇妙な音の雰囲気に思わず身を乗り出させてしまう。

魔法にかけられるが如く忍び寄る何とも言い難いオーラ!
屈折したトリル





音楽的力点はそこから突如として熱を帯びてくる。

そのあとのオーボエ、サックスの歌うこと歌うこと。

そこへ突然にしてリズミカルなバスクラが現れる!木管低音が冴える!キレがいい。明確な音の輪郭だけを残し、竜巻のように次々に楽器を巻き込んでいく。


そして、遂に音楽力点が限界を超えて金管楽器郡が吠える!魅せる!
中国雑技団のような、際どいお玉じゃくしの群れで一撃、二撃、三撃!!
とどめのホルン!はさすがに最終到着地点の趣がある。




しかし、音楽的体力はまだ全然尽きてない。

やる気まんまんである!さらに奥地へ狂気の本体へと潜り込ませる。



鐘が鳴り、真っ暗な嵐の空を思わせるフレーズ

悲壮感、孤独感を含んだ退廃的ムード
それが次第に晴れていく

晴れた先に、かすかに見えるは、巨大なエネルギを含んだ優しいフレーズ。

これは、カオスな暗闇の最下層で、香るイングリッシュホルン!


美しい。神々しいまでに美しい。

完璧だ。

そして曲は急速にクライマックスへと向かう!
パーカッションによる主題の再現。
凄まじい集中力が生み出す、この緊張感である!!

そのキンキンに張り詰めたテンションのまま、冒頭の主題が再び再現され、曲は最後の輝きを放つ!

その様はまるで歌舞伎のはや着替えのように、魅惑的



極彩色に溢れた絵巻物のようなこの曲。

これを吹奏楽でやるとは、いや、吹奏楽だから出来るのかもしれない。

なかなかの珍品。
レアだけど有名という存在自体もカオスな一曲。

是非一度。







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HN:
鈴幕府
性別:
非公開
趣味:
吹奏楽、オーケストラ
自己紹介:
楽器歴はトランペット、ユーフォ、ファゴット、オーボエ、アルトサックス。
オーケストラ、心理学、芸術などの要素を取り入れ、新しく本格的な音楽を作る。また、チームワークを大事に一人一人がもっと輝く、情熱を傾ける、感動するための音楽を目指す。吹奏楽の楽しさを伝えます。
2013/01/20 13:08:15