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課題曲I 古き森の戦記  
塩見康史(第28回朝日作曲賞)

【冒頭部分】
冒頭は雰囲気重視、ハーモニー重視。
音量について、張り切りすぎないこと。曲の本当のピークはここではない。
あくまでここは雰囲気を作る。つまりはハーモニーを魅せよう。
響きがパンパンに詰まった美しい響きを作ればそれでよい。

美女と野獣を彷彿とされるようなディズニーシーンのワンシーンが思い浮かぶ。
木管高音楽器がフレーズを提示し、悲哀感を帯びたオーボエに引き継ぐ。
山びこのように遠くで鳴くホルンの音形にも気を使いたい。
ここは違和感なくつなげたい。
音が沈み緊張感だけがピンと張り詰める中、低音の力強い音圧で曲が展開していく。
響きが緩んではいけない。

そもそも、響きを聞けばバンドの大体のレベルがわかる。バンドの実力ってそういう細かいところに出る。日ごろの発音のピッチの甘さはどうしたって同じようなところに出てくる。しっかりと基礎練習すること。一人一人の日々の積み重ねが「人数×個人の練習時間」時間分の差となりとんでもない技術力の差になる。

突如、バンドの看板トランペットのフレーズが曲に推進力を与える。伴奏の人は弦楽器のような美しい透き通った響きを作ってみよう。
速度が上がれば、アーティキュレーション(音型)を整理しよう。
音をつなぐところ、つなげないところ。
山形アクセント(音型を作る)と松葉型アクセント(響きを作る)の違い。
統一するとフレーズがシャープになり、一つに聞こえ、裏側の伴奏が透けて見えるようになる。
本来ほかの音に混じりがちなクラリネットの細かい音符のフレーズが、ここは意外と目立つ。
と同時に各楽器の音をブレンドする力が試される。音のバランスも気を遣おう。
バランスが崩れると、一気に雑な仕上がりになってしまいがち。ゆったりとした曲こそ、縦のライン(出だしのタイミングと発音のニュアンス)とダイナミックスの変化を統一しよう。
音源を聞くと意外と重くない。決め所はあるが、基本的に軽やかなフレーズだ。

フォルテになったときのハーモニーの美しさと音型のシャープさが、曲の迫力を作る。
曲の推進力を担うパートが常にどこかに存在する。スコアを見ながら耳を使おう。
このパートが停滞すると即、曲は失速する。
パーカッションに音型を合わせ、シャープに贅肉を絞る作業がメインとなる。
全体通して聞くと、伴奏でつないでいくような曲ではないか。
メロディーも大事だが、伴奏はそれ以上に大事。

オーボエをはじめとする歌部分とリズムが目立つ部分のメリハリをつけるが、音質は変わらないように注意。息のスピードが変わっても美しい響きはとどめておけるような練習をしよう。
結局どんな曲であっても美しい響きを作るのが、一番時間を割く作業なのだ。
表現力は後からついてくる。音質はバンドの個性の一つなのでそう簡単には変わらない。
日々の地道な基礎練習を積み重ねていくだけだ。

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Ⅰスケルツァンド

作曲:江原 大介



必殺の課題曲攻略法「審査員はココを見る!」


作曲者の指示は
「ふざけ気味に」「軽快に」演奏すること
作曲者自身の解説にも書いてありますが、明るい雰囲気でおどけた感じの曲だ。 
曲全体に影響しているのが、タイトルにもなっているscherzandoです。これは、"ふざける"が語源で、「ふざけ気味に」「滑稽に」「軽快に」演奏する。また、Allegro(アレグロ)は、「陽気に、明るく」という意味があります。どのようにして陽気にふざけ気味に聴こえるように演奏するかがポイントだ。この曲は速いテンポで拍子がよく変わる。音楽の流れを感じながら「軽快さ」を失わない様に注意しよう。重たくなってしまうと作曲者が意図した狙いも仕掛けも崩れてしまう。軽快に演奏してこそ生きてくる曲なのだ。

冒頭数秒で実力の7割が決まる
冒頭部分はその曲の看板だ。映画の予告編と同じであり、ここで観客の心をつかめないと、それ以上聴いてもらえないと思ってよい。コンクールに関してはもっとシビアだ。冒頭のミスの印象は二度と消えることはない。確実にポイントを押さえておこう。
拍子が変わり、そして何よりほかのセクションとフレーズの掛け合いが多く、アーティキュレーションが細かく記されているので、どの音域でも出だしや音の長さをはっきりとさせて、他のセクションと音量や音の処理を同じように整えていくことが大事です。

最初にすべきことはアーティキュレーション整備
まず、松葉型アクセントと山型アクセントの区別をつけましょう。アクセントとは目立たせて強調させる表現のこと。大きい音で吹けという指示ではない。松葉型アクセントは響きをピーンと張って「ディーーーッ!」、山型アクセントは音の形をシャープに「ディン!」この違いを意識しよう。楽譜上でつながっていないところは、しっかりと音を切る。冒頭の2小節間はスタッカートがあるが、短くなり過ぎずハーモニー感・スピード感を意識して演奏する様に心掛けよう。ごちゃごちゃしてるなと思ったら、自分たちの演奏を構造的に聴くこと。メロディー、伴奏、対旋律などどこかのパートに問題がある。あるいはお互いのパート同士が噛み合っていないはずだ。以下のことに気をつけよう。
  1. アクセント、音形、ピッチ、ハーモニーのニュアンスを統一するために繰り返し歌ってみよう。
  2. こういう曲こそシビアに縦の線を合わせること。細かくテンポを刻もう。 アーティキュレーションを正確に、マルカートを効かせよう。
  3. 「パン、パン、パン」と一つ一つの音は切れていても必ずフレーズなるものが存在する。
  4. フレーズの最後に向けて萎えていかないよう注意しよう。
  5. 決めるポイントは、まるで音を一つ一つ置いていくように固く吹くこと。

Vivoからはテンポに注意しながら曲をを推進していくイメージで演奏しよう。
また、四分音符の音型、スピード感にも注意が必要だ。

縦と横を合わせると音楽が蘇る
リズムセクションのビート感を損なわずに上品に仕上げよう。 同じ動きをする楽器群同士と関連する動きの楽器群がカチリとハマっていることが重要。 スピート感しかりバランスしかり、こだわりだすときりがない。 曲の冒頭部分で提示されたフレーズがそっくりそのまま曲の原動力、推進力となる。この曲は、短い音符をどのように演奏するかで、曲の色が決まる。 後は「スコアの縦の線」と「音の形」をひたすらピタリと合わせていく。 打ちこみの管楽器は固い鍵盤楽器や打楽器の音形に合わせよう。指揮者は交互に吹かせてみよう。意外とこの手の演奏に苦労する奏者は多い。管楽器は打楽器と違い、息を吹き込んでから楽器が完全に鳴るまで少しのタイムラグがある。そのため音の出始めがMAX音量の打楽器の音形に近づけるのに苦労するが、そこは基礎練習の領域。おなかの支えやブレスコントロールをしっかりとした音の発音を練習しよう。 
リズムに関しては、もう一点。拍子が変わるところや、アーフタクトでリズムが不安定になりがち。要所要所のピッチも気にしたいが、最初は細かいメトロノーム的刻みで強制的に縦を合わせよう。

曲の具体的解説
冒頭部分は同じフレーズを時間差で様々な楽器がリレーしていくスタイル。例えば、3小節目2拍目から、アルトサックスの旋律はクラリネットを追いかける。そしてテナーサックス、バリトンサックスも4拍目からそれを引き継ぐ。といった感じだ。曲想からして少し崩した方が面白いのかもしれないが、まずは、一律に吹き方を統一させよう。崩すのはそれが出来てからでよい。ここでもポイントとなってくるのはアーティキュレーションだ。例えばスタッカート一つレガートの処理一つ取って見ても個人個人で吹き方が異なる。ましてや違う楽器となればなおさら違う。一人ずつリレーしていく方法で、パート、セクション、全体で合わせる練習をしよう。難しければ歌で全員のフレーズのイメージを共有させる方法もありだ。全体的なアドバイスとしては、裏拍から始まる16分音符はリズム感と厚みを保って、そして3拍目の8分音符はスタッカートなので、しっかり分けてタンギングしよう。
この旋律の出だしは大きな跳躍を伴うがゆっくりと滑らかに、同じ強さ、同じ音色になるように練習してください。それぞれの音に対応した柔軟なアンブシュアと息づかいがポイントだ。
[A]スタッカートは音の形、響きを保って吹こう。細かい音符は油断するとすぐに薄い響きのペチャっとした音になってしまいがちだ。特に2拍目裏の同じ音で16分音符のタンギングは舌の動きよりも、息のスピードを速く保つようにこころがけよう。この箇所では4分の4拍子と8分の6拍子が交互に現れるポイントがある。拍子が変わったことがはっきり分かるよう、拍節感を強調して吹こう。拍子が変わった部分で、曲が不安定にならないよう自信を持って吹こう。
10小節目の最後の音に記されたテヌートは長めに保つのと同時に重みを乗せて、次の音の和音の変化をはっきりさせる。
[B]3小節目からは、休符がある事によりフレーズが短くなりやすいので注意。八分音符の音の処理にも注意しましょう。56小節目からの八分音符は、リズムを聞かせると共にハーモニー進行を大切に。

[D]アウフタクトから、A.Sax.1の旋律は中音域の、美しく吹ける音域で演奏できますが、オクターヴキーをまたぐ連結に注意して滑らかに。
[E]Strepitoso(ストゥレピトーソ)ですので、そう聴こえるように、吹いてみよう。ここでも、八分音符のスピード感・音程感が大切となる。
[F] Strepitoso騒々しいセクションのピークだ。低音楽器群等と奏法を揃えよう。スタッカートとテヌートをハッキリ区別させること。音型の違いを意識する。76小節目からはリズムも大切ですが、ハーモニー進行に注意して演奏しよう。低音楽器のアーティキュレーション、スタッカートとテヌートが交互に記されているが、「短い長い」だけではなく、「緩和と緊張」という音色の違いを意識する。
5小節目からフルート→クラリネット→サックスの順番で旋律の掛け合いが始まるので、リズムと音量バランスに気をつけて、大きな一つのフレーズとして演奏しよう。途中からアッチェレランドが始まることを忘れないように。

[H]1小節目4拍目のアルトサックス.はフルートに旋律を渡すため、自然とつながるような演奏方法を模索してみよう。最後に、全体を通じて強弱の変化ダイナミクスが目まぐるしいので、それに対応するよう基礎練習を徹底しよう。その際に音程、音色を一定に保つことも忘れずに。クレッシェンド、デクレッシェンドは拡大コピー、縮小コピーなのだ。

[I]Vivace(ヴィヴァーチェ)ffは響きを分厚く演奏しよう。最後の音は、sfz(スフォルツァート)のつもりで吹く。fをどのように演奏するかが、曲感の決め手になる。fは発音ピッチ音質共に崩れがちになるので注意しよう。103小節目からは全パートが同じ音型です。ユニゾンで少々のノイズはまぎれると思わずにバランス・音型・ハーモニー等に注意しましょう。105小節以降は、小節ごとに段階的に音量が変わって聴こえるように吹いてください。116小節目からはfだ。ffのままの勢いで演奏しないこと。最後の八分音符はスタッカートがあるが、短くなり過ぎない様にしっかり響かせて終わろう。
 






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HN:
鈴幕府
性別:
非公開
趣味:
吹奏楽、オーケストラ
自己紹介:
楽器歴はトランペット、ユーフォ、ファゴット、オーボエ、アルトサックス。
オーケストラ、心理学、芸術などの要素を取り入れ、新しく本格的な音楽を作る。また、チームワークを大事に一人一人がもっと輝く、情熱を傾ける、感動するための音楽を目指す。吹奏楽の楽しさを伝えます。
2013/01/20 13:08:15