2013/07/28 13:36:59
アンサンブル能力はバンドの能力と必ずしも比例しない!?
どんなに素晴らしいソリストが集まって演奏をしても、アンサンブルができていない演奏は、聞いていられないほどひどいものです。
逆に、演奏者のひとりひとりが飛びぬけたスタープレイヤーでなくても、アンサンブル力の高いバンドの演奏は、格段に質が高く、一流なのです。
これと同じようなことを、マネジメントで有名なドラッカが言及してます。
「偉大なソロを集めたオーケストラが最高のオーケストラではない 」
もし全国大会金賞を狙う吹奏楽部の女子部長がドラッカーの『マネジメント』を読んだら・・・
アンサンブル能力に特化し、部活にイノベーションを起こしたに違いありません。
登山家、西堀栄三郎氏はこう言います。
「舞台には黒子も子役も女形も必要だ。千両役者ばかり集めても、いい舞台は打てない」
吹奏楽とは、全員でひとつの作品を作り上げる作業なのです。
アマチュアバンドや学生の吹奏楽バンドはアンサンブル能力の向上に重点をおいて練習をすべきなのです。
過度に「周りの演奏に合わせよう」とする行為が、かえってアンサンブルを壊す!?
淀川工業吹奏楽部では「あまりひとりひとりが合わせようとしすぎない!」という指導方針を貫いているそうです。
周りの音を聞いて、合うポイントを不自然に探ってしまうと、かえってアンサンブルが乱れる原因になるというのです。
これはかなり重要な示唆であり、本質を突いていると思います。
確かに、外部から縦の線(リズム)横の線(ピッチ)を過度に強制すると、少なからず奏者に緊張が生まれ、萎縮や力みが生じることがあります。
例えば、過度にメトロノームなど機械的な音のリズムを意識してしまうと、音楽が停滞してしまいますし、聞いてから合わせにかかると、わずかにテンポが遅れます。
結果、不明瞭な音のニゴリや、輪郭のないブヨブヨのフレーズになってしまうのです。
そして、自分の吹き方から大きく離れ、非常に萎縮した演奏になってしまうからです。
「合わせること」よりも「自分自身がしっかり音を出す」ことが大事なのです。
これを逆にしてしまっているバンドは、かなり多いのです。
アンサンブルするのは、しっかり自分の音を確立してから進む次のステップなのです。
何よりもストレスなく自然体で吹くことを先に意識してみてください。
その自然な吹き方を維持したまま、ピッチ、リズム、ニュアンスを合わせるのです。
つまりメトロノームやチューナー機(または指揮者)が主体ではなく、あくまでも奏者ひとりひとりが主体になって「アンサンブル」しないと均等な音のまとまりが生まれてこないのです。
あくまでも各奏者の自発的な歩み寄りが必要なのです。
通常運転でサラッと合わせる
自分にとって最高のパフォーマンスができた自然な演奏が、バンド内でピッタリとマッチしている状態が理想なのです。
それには、まずひとりひとりが自分の音を確立し、十分に楽器が鳴っている状態からお互い歩み寄っていく。
つまり、芯となるものがない状態で、あっちへフラフラこっちへフラフラとお互いに寄りかかっていくようなアンサンブルの仕方は間違いなのです。
何回パート練習をしても、アンサンブルができない。
音がまとまらないという方はまずこのポイントに注目して下さい。
周りの音に合わせるという行為を、違う感覚で捉えている可能性があります。
特に下級生は「自分の音が邪魔にならないように吹こう・・・」
など消極的な奏法が身についてしまっているかもしれません。
アンサンブル能力向上させる練習ポイント
①太い音、響きの豊かな音で吹くこと
響きの豊かな太い音には、倍音がたくさん含まれています。
少々のピッチのズレぐらいなら隠してしまうでしょう。
②息をたっぷり楽器の中に通すこと(ピアニッシモの音符であっても鋭く息を通すこと)
響きを殺さず、音を落とさず、楽器本来の響きを大事にしましょう。
③まずは、縦の線(リズム)、横の線(ピッチ)を完璧に合わせる
次にアーティキレーション、音型、音の強弱、ニュアンスなどを統一する
④一人づつフレーズをリレーしていく練習をする(歌と楽器を交互に)
合わない原因はここで完璧にわかります。
また、リレー練習をしているうちに、音色やニュアンスが似てきます。
パート全体を正しい音色に統一(チューニング)させましょう。
⑤息のスピードを合わせる
これをすると音色がかなり近づきます。
⑥アイコンタクト
アンサンブルコンテスト常連組が使いこなす技術
ブレスや音のタイミングを合わせてみましょう。
⑦録音し、フィードバック
⑧イメージの統一
⑨音の到達地点のイメージの統一
⑩ベルの高さの統一
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2013/01/27 18:40:21
ブレスが合うと、吐く息のスピードが合う。
したがって、お互いの音色が似てきて、ブレンドしやすい音になる。
ブレスが合うと、テンポが合う。
息を吸うタイミングが拍を作る。
自然と頭に思い描くスピード感は同じになる。
ブレスが合うと、一体感が生まれる。
難しく、専門的な用語だが、ホメオスタシスという概念がある。
心理学ではミラーリングがそれに当たる。
不思議に思うかもしれないが、大縄跳び、二人三脚なんかのチームプレイでは、参加者の呼吸はほぼ同じである。
これは偶然ではない。
筋肉運動は人の呼吸と密接につながっている。
逆に言えば、呼吸を合わせると、筋肉運動が合ってくる。
同じパフォーマンスが期待できるという訳だ。
以前、指揮者の記事でも触れたが、この効果は絶大。
これこそが、息(ブレス)を合わせることの意味。
したがって、お互いの音色が似てきて、ブレンドしやすい音になる。
ブレスが合うと、テンポが合う。
息を吸うタイミングが拍を作る。
自然と頭に思い描くスピード感は同じになる。
ブレスが合うと、一体感が生まれる。
難しく、専門的な用語だが、ホメオスタシスという概念がある。
心理学ではミラーリングがそれに当たる。
不思議に思うかもしれないが、大縄跳び、二人三脚なんかのチームプレイでは、参加者の呼吸はほぼ同じである。
これは偶然ではない。
筋肉運動は人の呼吸と密接につながっている。
逆に言えば、呼吸を合わせると、筋肉運動が合ってくる。
同じパフォーマンスが期待できるという訳だ。
以前、指揮者の記事でも触れたが、この効果は絶大。
これこそが、息(ブレス)を合わせることの意味。