2012/12/24 18:10:54
パートリーダーはパートの最高責任者です。
パート全員から放たれる音を指揮監督して、実力の向上を目指すお仕事です。
ときには厳しくときには優しく、パートを導いてやらねばなりません。
とは言え、一度演奏を聴いただけで、奏者に足らないところをズバズバと指摘するパートリーダーは魅力的です。
しかし、いざみんなの前に立つと、何を指摘すればいいのか?と悩んでしまう方は意外と多いのです。
頭ではなんとなく分かっていることも、いざ言葉で説明しようとすると難しいものがあります。
それでは、具体的な方法を考えてみたいと思います。
あくまでも一つの参考例ですので、パートリーダーのみなさんはこれをヒントにして、パート練習に応用してみてください。
1 縦、横、音量、音色の4項目を意識する
①楽譜(スコア)の縦の線(音の始まり終わりのタイミングとニュアンス、リズム感)を合わせる
②楽譜(スコア)の横の線(ピッチ、音程、ハーモニー)を合わせる
③音量を合わせる(各人にとって適切な音量に調整する)
④音色を合わせる
この4つを意識してパートの音をコントロールしましょう。
少しでも「にごり」や「うなり」があったり、合っていないと感じた時は
その音を、一人づつ吹かせましょう。
全員で吹くと分からないことでも、一人づつ吹くと分かると思います。
上の4つの項目のうち、合っていない項目をいいます。
そのパートで一番上手い人の音に近付けるように指摘してあげてください。
これら4項目を合わせていくと、ぜい肉だらけだったサウンドが引き締まって音の輪郭がクリアに、美しくなっていきます。
そして、それら4項目が合った状態の感覚を覚えておきましょう。
そのサウンドを維持、管理していくのがあなたの役割です。
あなたのパートを黒光りするようなブランドに育て上げてください。
2 パートの全員に耳を使い周りの音をよく聴くように指導しましょう。
とはいえ、いくら優れたパートリーダーがいても、実際に楽器を吹くのは一人一人です。
周りの音と合っていないと感じたら、指摘される前に自らすぐに直すよう日ごろから言っておきましょう。
3 楽譜に忠実に吹く
当たり前すぎて忘れがちなことですが、重要なことが一つあります。
それは「楽譜に忠実に吹く」ということです。
スラー、タイ、スタッカートなど、アーティキレーションは正確ですか?
切るべきところで本当に切れているか?
つなぐところで本当につないでいるか?
強弱記号を無視していないか?(これが一番多い)
パートリーダーは、あいまいになっている部分がないか再確認してみてください。
4 フレージング(歌い方)の統一
必要であれば、フレーズの頂点(一番盛り上がるところ)をどこにするかなどの意思統一を図りましょう。
「フレーズの歌い方」や「吹き方のイメージ」を合わせるためです。
パートリーダーは、各個人がまるでソロのように吹かないよう目を光らせましょう!
5 パートの音を録音する
じっくり音だけを分析したいという時は、思い切って録音するのもアリでしょう。
記録として残せば、改善できたポイントも分かりますし、目的や改善点が明確になります。
「毎日なんとなく練習してるけど、本当にうまくなっているんだろうか?」
「数ヶ月前と比べて何か変わっているんだろうか?」
そういう疑問を持っているのなら、パートの音の記録をつけてみましょう。
日常の惰性練習から抜け出すきっかけになるかもしれません。
6 曲の練習は、遅すぎるぐらいのテンポから
しっかりパートの音を聴くために、ゆっくり過ぎるぐらいのテンポからパート練習を始めるのもいいでしょう。
慣れると、普通のテンポでも耳が使える(周りの音が聴ける)ようになってきて
ズレを瞬時に修正することができるのですが、初めのうちはゆっくりのテンポで演奏によるストレスを減らした状態でかまいません。
吹くことに一生懸命になりすぎて、音を聴けない、聴いていないという状態をなくすことが目的です。
しかし、いきなり「耳を使え!周りの音を聴け!」と言われても難しいと思うかもしれません。
周りの音は聞こえているけど、いったいどこが悪かったのかまで指摘できない・・・そんな人は多いのではないでしょうか?
そんなときは、無理をせず、何かひとつのことに注意して聴いてみましょう。
例えば
「発音に注意して聴いてみよう」
「出だしのピッチに注意して聴いてみよう」
「最後まで音が萎えていないか注意して聴いてみよう」
などです。
そして、同時に気をつけて聴くポイントをひとつづつ増やしていけばいいのです。
7 モデル音源を聴こう
プロの演奏や、コンクール金賞の強豪校など、自分たちが理想とする音源を聴きましょう。
そして、なんでもいいので自分たちの演奏とどこが違うのか研究しましょう。
初めはつまらないことでもいいのです。
楽器の構え方がかっこいい、低音の鳴りが・・・などあーでもない、こーでもないと言ってるうちに、演奏に対する経験値や、違和感をキャッチするアンテナは着実に育ちます。
8 しっかり打ち合わせをする
トリルの吹き方、装飾音符の吹き方、ブレスを意図的に分散させるなどなど
こんな細かいことまで?と思うようなことも、しっかりパートで打ち合わせましょう。
分からないことを「まあ、いいか」と済まさないことが大切です。
分からなければ、指揮者や、レッスンの先生などと相談してみましょう!
9 しっかり楽器の練習をすること
いわずもがなですが・・・
後輩はちゃんと見ています(笑)
パートリーダーがしっかり向上心を持って練習に励みましょう。
ちなみに、もともと楽器が上手い人よりも、下手からのし上がった人の方が教え方は上手いと思います。
このように、効率的に練習を進めるためのいくつかのポイントを上げました。
しかし、何より大切なのは、このように一緒に練習をするということなのです。
バスクラリネットのパート練習は、クラリネットに混じっていたり、バリトンサックス、ファゴットなどの木管低音に混じっていたり色々ですが、一緒に練習している方の音色に近づいていくそうです。
キチンと練習を続けることで、次第に音色のブレンド感は増してきます。
パートリーダーは、円になって一人一人の目をみて吹いて見てください。
後輩を技術面でも精神面でもしっかりサポートする頼もしいパートリーダーになってください。
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2012/12/03 20:31:53
迫力のある演奏をするには、どうすればよいのでしょうか?

勘違いしてはいけないのが、迫力のある演奏イコール大人数での演奏ではないという事です。
いくら音を重ねても、ある一定のレベル以上の音量にはならないでしょう。
必要なのは、基礎練習に裏付けされた正しい奏法と、ほんの少しのテクニックです。
まず、全員の発音の形状と、音の出るタイミングを合わせましょう。
このとき注意すべきなのは、可能な限りハッキリとした発音を心がける事です。
次にピッチ、ハーモニーを厳密に合わせましょう。
二部音符以上の長い音符を中心にバチッと合わせていきましょう。
次に、音をしっかりと張ることです!
途中で息が足りなくなり、音が萎えてきたり、ピッチが下がって来ないように注意しましょう。
あとは、テクニックです。
いわいる決める音符は、固めに吹いて見ましょう。
パーカッションを積極的に戦略的に活用するのも面白いでしょう。
ホールの隅々まで届く音を
勘違いしてはいけないのが、迫力のある演奏イコール大人数での演奏ではないという事です。
いくら音を重ねても、ある一定のレベル以上の音量にはならないでしょう。
必要なのは、基礎練習に裏付けされた正しい奏法と、ほんの少しのテクニックです。
まず、全員の発音の形状と、音の出るタイミングを合わせましょう。
このとき注意すべきなのは、可能な限りハッキリとした発音を心がける事です。
次にピッチ、ハーモニーを厳密に合わせましょう。
二部音符以上の長い音符を中心にバチッと合わせていきましょう。
次に、音をしっかりと張ることです!
途中で息が足りなくなり、音が萎えてきたり、ピッチが下がって来ないように注意しましょう。
あとは、テクニックです。
いわいる決める音符は、固めに吹いて見ましょう。
パーカッションを積極的に戦略的に活用するのも面白いでしょう。
ホールの隅々まで届く音を