2014/05/11 19:51:49
2014年度全日本吹奏楽コンクール課題曲 Ⅱ
行進曲「勇気のトビラ」演奏ポイントいかにも課題曲といったさわやかなマーチ。 無難な曲である。この曲を選択すれば、大事故も少なかろう。 作曲者は、高橋宏樹だ。この人が手がけた曲は、何回か課題曲に採用されている。
◆不安定な冒頭部分も怖がって恐る恐る出ないこと。8分の6拍子なんて、8分音符刻みにした らただのワルツだ。重要なのは、拍の頭を意識すること。たとえ休符であっても意識するこ と。
◆重くならないようにしっかり練習すること。
◆低音主体メロディーはマルカートを効かせ、シャープな音形を作ろう
◆ダイナミクスに敏感になろう。フォルテとピアノ
◆金管楽器主体の華やかな旋律と、木管楽器主体の柔らかな旋律と区別しよう
◆アクセントの違いをしっかり意識しよう。山型アクセントは音色固めに「デンッ!!」 横向き 松葉型アクセントは響きを大切に「ティー!!」
◆ユーフォニアム(Euph)は、サブドミナントマイナーのコード進行を含む。ポップスのバラードなんかで多様されるこの独特の響きを引き出せるかがポイント。要所要所でキメないと、メリハリがきかずメロディーが伴奏と分離する。
◆伴奏の和声をどれだけスッキリさせるかで全体の響きが変わる。響きが薄くなってはメロディ ーも台無し。
◆中音域楽器群が合わないと、曲全体がボテッとして重く、鈍い音色になる。発音をシャープ に、ピッチを厳格に、バランスも適正に(人数調整もアリ)。
◆打楽器のフィルインスムーズに。
◆常に次のシーンにバトンを渡すような意識で音の処理をする。
◆ファゴット、コントラバスの役割は大きい。単体では聞こえないが「音色の核」、「響きの 芯」になると響きが変わる。「原色カラー」を「淡いセクシーな色」に染めることが可能。積 極的に吹くこと。
有効な練習方法
◆まずはゆっくりやること。アーティキレーション(スラー、タイ、スタッカート)を確認しな がら吹くこと。
◆5連符(クラリネットなど)が合わないときは5文字の単語を当てはめて歌うこと。少しのタ イミングのズレで音がひっついた団子状になる。
◆合ってるのか、よくわからなくなったら同じ動きをしている楽器ごとに分割して吹いてみよ う。
◆ピッコロとサックス、ユーフォーとトランペットの絡みつくようなメロディーは、十分に練習 を!縦の線はもちろん、息のスピード感、フレーズの柔軟性も合わせよう。
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2014/05/05 10:22:20
最果ての城のゼビア(2014年度全日本吹奏楽コンクール課題曲 I )
練習ポイント
映画の予告編で流れるBGMのように作るのが作曲者の要請のようだ。となると、ある程度それなりのオーバーな演出をする必要がある。スコアを見ると、映画音楽特有の雄大さは感じるのだが、比較的平坦な構造だ。映画であれ吹奏楽であれ、観客を引きつける「つかみ」がないと観客は最後まで聞いてくれない。ラストまでの長い道中で飽きてしまうのだ。つかみに成功すれば、多少の退屈は辛抱し、最後までお付き合いしてくれるのだ。この曲を見事仕上げることができたら、バンドの表現力はケタ違いに上がるだろう。何の変哲もない、「そこらへんの一般人」を「ハリウッドスター」にするような一種のプロデュース能力が鍛えられる。そういう観点でみると、非常によくできた課題曲である。おそらく実力のないバンドは、ノリと勢いに任せた演奏をするだろう。きっとそれでは、「変な曲だな」で終わってしまう。だが、おそらくこの曲の真価はそんなところでは発揮されない。これは作曲者からの大きな問いなのかもしれない。なかなか噛みごたえのある課題曲だ。
◆8分の6拍子の苦手意識をなくそう
8分の6拍子は難しいと思っている人は多い。実際のところ8分音符3つを「1つのまとまり」ととらえるだけなのだが。4分の4拍子に慣れすぎていて、1拍でリズムをとらえてしまうと奏者は混乱をきたしてしまう。慣れてしまえばそれまでなのだが、意外に手こずる場合もあるのだ。8分音符単位で考えると整理しやすい。
まずは、おなじみの4分の4拍子でやってみる。
↓1 と 2 と 3 と 4 と※「と」は裏拍 |
まずはこうして8分音符単位で考えられるようにする。
これを、8分の6拍子に直すと
1 と と 2 と と |